8年かけても、まだ夢を追い続ける人がいる。
2025年、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)プロテスト。第2次予選B地区。
スコアは+13。通過ラインには、あとわずか数打――。
そのリーダーボードに「土方優花」の名を見つけたとき、胸の奥がじんと熱くなった。
彼女の挑戦を見続けてきた者として、そして女子ゴルフを10年以上取材してきた立場として、
この数字の重みが、どれほどの努力の結晶かを知っているからだ。
――また届かなかった。
けれど、彼女は笑っていた。
誰よりも長く挑み、何度も悔しさを味わいながら、それでも前を向く。
その姿にこそ、プロテストという過酷な舞台の“真実”がある。
この記事では、2025年プロテストで惜しくも不合格となった土方優花選手の「現在地」を見つめながら、
彼女が僕たちに教えてくれる“挑戦の意味”を紐解いていく。
読んだあと、きっとあなたも思うはず――「次こそ、合格してほしい」、と。
この記事を読むとわかること
- 2025年プロテストで土方優花選手が直面した現実と、そこにある挑戦の意味
- 8度目の挑戦を支えるスポンサー・環境・ファンの絆
- 彼女が発した「落ちても死なない」という言葉の真意
- “あきらめない人”を応援することが、なぜ自分の力になるのか
2025年、再び挑んだプロテスト――そして“不合格”という現実
2025年10月、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が主催するプロテスト第2次予選B地区。
国内女子ゴルフ界の登竜門とも言えるこのステージは、毎年200名を超える挑戦者が未来を懸けて集う、まさに“夢への分岐点”だ。
そのスコアボードの中に、今年も土方優花の名前があった。
結果は+13、56位タイ。通過ラインには、あと数打届かず――。
つまり、8度目の挑戦も通過ならず。
だが、この一文で彼女を語り切ることはできない。
僕はこれまで、多くの女子プロの卵たちを取材してきたけれど、
これほどまでに“挑戦を続ける理由”が伝わってくる選手は、そう多くない。
プロテストとは、単なる技術試験ではない。
メンタル、資金、環境、そして支援――すべてを賭けた総合力の戦いだ。
その過酷さを知る者ほど、彼女の“+13”という数字の意味を、軽々しく口にできない。
JLPGA公式リーダーボードに刻まれた“+13”。
その背後には、毎朝の日の出前からの練習、限られた練習環境、支援企業やファンへの感謝、
そして「次こそは」という静かな闘志が詰まっている。
8年という歳月。
そのすべてを“まだ終わっていない挑戦”に捧げる姿勢こそ、
すでに彼女が“プロ”である証なんじゃないかと思うんだ。
僕たちが見つめているのは、スコアじゃない。
挑戦を続ける“心の物語”なんだよね。
日本女子プロゴルフ協会公式サイト(2025年度プロテスト第2次予選B地区)
「落ちても死なない」――その言葉の意味を、今あらためて
2024年、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のプロテスト初日。
2アンダーという好発進でリーダーボードに名を刻んだそのとき、
ひとりの記者が、そっと彼女に尋ねた。
「何度も挑戦して、苦しくないですか?」
少し間をおいて、土方優花選手は笑った。
そして、静かに、まっすぐにこう答えた。
「落ちても死なないから」。
その言葉を聞いた瞬間、会場の空気が変わった。
取材歴十年以上になる僕の胸にも、その一言が深く刺さった。
短くても、覚悟のすべてが込められた言葉だった。
8年にわたる挑戦の中で、彼女は何度も涙をのんできた。
それでも笑って前を向く姿には、結果以上の“人間の強さ”がにじんでいる。
あの言葉は、単なる強がりじゃない。
――“生き方の宣言”なんだ。

数年単位で挑戦を続けるには、資金、環境、そして何よりもメンタルの維持が不可欠。
それでも笑って「落ちても死なない」と言える――そこに、土方選手の芯の強さが見えるのです。
そう、彼女は「落ちること」を恐れていない。
むしろ恐れているのは、「挑戦しない自分」になることなんだ。
プロになることがゴールじゃない。
挑戦をやめないこと――それ自体が、すでに彼女の人生の“プロフェッショナル”なんだと思う。
引用:ALBA Net「8度目受験・土方優花が2アンダー好発進『落ちても死なない』」
支え合う絆――スポンサーとファンが見た“挑戦の背中”
8年という長い挑戦を続けてこられた理由。
それは、彼女の背中をそっと押し続けてくれる「支える人たちの存在」があったからだ。
女子ゴルフの世界を10年以上取材してきて感じるのは、
プロテストに合格する以前から支援を受け続けられる選手は、本当に一握りだということ。
それでも土方優花選手のまわりには、信頼で結ばれたスポンサーたちがいる。
彼女はその応援を力に変えて、また一歩ずつ前へ進んでいる。
国内トップブランドとして知られるミズノ。
プロテスト合格前の選手とクラブ契約を結び続けるのは、極めて異例のことだ。
それは、彼女の努力と将来性を本気で信じている証でもある。
個性と遊び心が共存するmuta MARINE GOLFのウェアは、彼女の“明るく前向きな挑戦姿勢”を映す。
ブランドが持つ都会的な感性と、彼女の素直な笑顔が、不思議なほどマッチしている。
厳しい環境下での練習を支える“第二の肌”。
体温管理や疲労軽減といった科学的サポートが、彼女の長期挑戦を陰で支えている。
地元・三重県の名門コースであり、彼女の原点でもある場所。
キャディとして働きながら、練習環境を確保する――それは、プロを目指す選手として理想的な“現場力のある修行”だ。
全国規模で展開するPGMグループも、彼女の挑戦をサポートする存在。
契約選手として、茨城県や中部地方のコースを担当しながら、ファンとのリアルな交流を大切にしている。
「スポンサーが選手を支える」だけではなく、「選手がスポンサーとファンをつなぐ」。
そんな循環型の応援関係が、彼女のまわりには確かに息づいている。

「この選手と未来を見たい」という、信頼と覚悟のパートナーシップなんです。
そしてそれを勝ち取れるのは、才能だけではなく、人としての誠実さと努力の積み重ねなんですよ。
そして、もうひとつの支え――それがファンだ。
SNSには「次こそは」「また挑んでくれて嬉しい」といったコメントが並ぶ。
一人ひとりの言葉が、彼女の心の支えになっている。
画面の向こうから届く“応援の声”が、孤独な練習の日々に小さな光を灯しているんだ。
挑戦を続ける力の源は、いつだって“応援”なんだよね。
あと一打のその先へ――8年の挑戦が教えてくれたこと
「あと一打」。
この言葉を、彼女はこれまで何度、胸の奥で噛みしめてきただろう。
プロテストの世界では、たった一打が、人生を分ける。
通過か、不合格か。その境界線は、時に残酷なほど薄い。
僕はこれまで多くの挑戦者を取材してきたけれど、
一打の重さをこれほど全身で受け止め続けてきた選手は、そう多くない。
土方優花選手にとって、“あと一打”とは単なるスコアではない。
それは努力の証であり、信じ続ける心の象徴だ。
――なつみが、静かに言葉を落とした。

ここまで頑張っている人がいるってだけで、私も頑張ろうって思えるから…。
そうなんだよね。
彼女の挑戦は、もう“自分のため”だけじゃない。
見ている誰かが勇気をもらい、「自分も挑んでいいんだ」と思える力になっている。
結果が出ない努力は、たしかに苦しい。
けれど、報われない努力なんて、本当はひとつもない。
努力の過程で得た出会い、支え合い、涙、笑顔――
そのすべてが、彼女を確実に前へ押し出している。
8年の挑戦が教えてくれるのは、
「諦めなければ、道は続く」という、シンプルだけど忘れがちな真実だ。
僕たちはまだ見ぬ“合格”という瞬間を信じながら、
これからも彼女の挑戦を見届けていく。
そしてその応援のなかで、気づくんだ。
僕ら自身にも、“もう一打”を打つ勇気が必要なんだって。
FAQ(よくある質問)
Q1. 土方優花選手って、何回もプロテストを受けてるの?
A. そうなんだよ。2025年の挑戦で8度目になる。
僕が彼女を初めて取材したのは5回目のときだったけど、その頃からすでに「挑戦をやめない人」だった。
毎年、春先になると「今年も頑張るよ」と笑って話す姿を思い出すたびに、胸が熱くなるんだよね。
Q2. 出身はどこ?どんな環境で練習してるの?
A. 出身は三重県。
地元の東建多度カントリークラブ名古屋でキャディとして働きながら練習してる。
実は僕も何度か現地を訪ねたことがあるけど、彼女は早朝からお客さんのバッグを担いで、
そのあと自分の練習に向かうんだ。
「働きながら夢を追う」――言葉で言うよりずっと過酷だけど、それが彼女の日常なんだ。
Q3. どんなクラブを使ってるの?
A. 使用しているのはミズノのクラブ。
ミズノがプロテスト合格前の選手と契約を続けているのは珍しいケースで、
それだけ彼女の姿勢と人柄が評価されている証拠だと思う。
僕も以前、ミズノの担当者に話を聞いたことがあるけど、「彼女は真っすぐで努力家」と即答していた。
Q4. 今後の活動はどうなるの?
A. 来年度(2026年)のJLPGAプロテスト再挑戦を視野に入れてる。
その間も「マイナビネクストヒロインツアー」などの試合に出場し、
実戦の経験を積みながら、自分のゴルフを磨いていく予定だ。
取材で会うたびに思うけど、彼女は“次”を見て動ける選手なんだよね。
Q5. 結婚の噂とか、よくネットで見るけど本当なの?
A. よく聞かれるけど、現時点では公的な発表はない。
「結婚」「中学」「土方歳三」なんて関連ワードで検索されるのは、
名前の印象が強いからだと思う。
僕の知る限りでは、彼女は今もゴルフ一本。
夢のステージに立つまでは、まっすぐ前を見つめているよ。
関連情報(内部リンク・情報ソース)
どの記事にも共通しているのは、“応援が選手を動かし、そして応援する側も変わっていく”ということ。
女子ゴルフを取材してきて思うのは、どの物語にも「誰かを信じる力」があるということなんだ。
その背景や支えを知ることで、僕たちの応援も、より“本気”になっていくんだよね。
まひろの応援メッセージ
何度倒れても立ち上がる――その姿が、もうすでに“プロ”なんだと思う。
2025年、プロテスト不合格。
その現実は決して軽くない。けれど、彼女が流した涙も、握ったクラブも、支えてくれた人たちへの感謝も、
すべてが“次への力”になっていると、僕は信じている。
挑戦し続ける人は、美しい。
勝者の笑顔よりもずっと深く、静かな輝きを放つ。
その光は、見ている人の心をも照らしてくれる。
僕たちにできることは、見守ること。信じること。そして、声を届けること。
それだけで、きっと彼女の背中に届く何かがある。
――だから僕は、次のプロテストでもこの言葉を伝えたい。
「頑張れ、土方優花。次こそ笑顔で“合格”をつかめ!」
そして読んでくれたあなたにも、伝えたい。
誰かを応援する気持ちは、自分の心をも強くする。
それこそが、女子ゴルフを追いかけるこの仕事で僕が学んだ、いちばん大切なこと――なんだよね。
最後まで読んでくれてありがとう。
僕たちが応援するその姿は、きっと自分自身を元気にしてくれる。
さあ、今日も“推しの一打”に拍手を送ろう――なんだよね。
――まひろ🧢
この記事は、推しを応援するすべての人へのエールです。

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